自社予約エンジン比較|OTA手数料を減らしたい宿が、料金の出し方と手数料の考え方で選ぶ

自社予約エンジン比較|OTA手数料を減らしたい宿が、料金の出し方と手数料の考え方で選ぶ(イメージ写真)

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📝 この記事でわかること

  • 予約エンジンには「専業(フォームだけ載せ替え)」と「PMS一体(フロントごと入れ替え)」の2タイプがあり、選び方で工事規模と費用感が変わる
  • 自社予約を増やすために使われる5社を、形・手数料の考え方・直販導線の3点で並べて整理している
  • 予約エンジンを入れただけでは自社予約は増えず、メタサーチ連携や会員価格などの「見つけてもらう導線」が別途必要になる

OTA手数料を減らすなら、まず予約エンジンの「形」を決める

予約の大半がOTA経由で、その手数料を薄めるために自社サイトの予約を増やしたい。10〜50室の宿がこの記事を読む前提はだいたいここだと思う。

先に結論を言う。予約エンジンには「専業(予約フォームだけを載せ替えるタイプ)」と「PMS一体(フロント業務ごと入れ替えるタイプ)」の二つがあり、どちらを選ぶかで工事の規模も費用の見え方もまるで違う。既存のPMSやサイトコントローラーを残して予約フォームだけ強くしたいのか、チェックインや精算まで一本化したいのか。この一点を決めないまま料金表を眺めても、比較にならない。

この記事では、自社予約を増やすために使われることの多い5社を、①形(専業かPMS一体か)、②手数料の考え方、③自社予約を実際に増やす導線、の3点で並べる。数値は各社が公開しているものだけを使う。

フロントごと入れ替える側と、フォームだけ替える側

PMS一体型の例がHotelsmartだ。クラウド型PMSに自社予約エンジンが組み込まれ、セルフチェックイン・自動精算機・デジタルガイド・キャンセル料の自動請求まで同じ系統でそろう。予約から精算までを一本の流れに載せられるので、フロント人数を増やさずに直販を受ける体制を作りやすい。導入実績は全国4,500施設・75,000室以上と公開されている。困ったときに人が出る窓口として24時間コールセンターを持っている点も、夜間のチェックイン対応がある宿には効く。料金は非公開で、資料請求か問い合わせでの提示になる。

同じPMS一体でも、費用が先に見えるのがaiPassだ。月額2.5万円〜(室数やプラグインで変動)、初期費用は新規5万円・システム移行10万円。導入は50,000室以上、継続率99%以上を公開している。予算を決裁に通すとき、最初に月額のレンジが分かるのは話が早い。クラウドPMSにセルフチェックインとゲスト専用アプリが付く構成で、まず金額感から検討したい宿に向く。

海外OTAの比率が高く、英語で運用できるならCloudbedsが候補になる。PMSに、Oneプラン以上でチャネルマネージャーと予約エンジンが付く。料金は全プラン要見積で、日本語サポートの範囲も公開情報からは読めない。ここは英語での運用体制があるかどうかで向き不向きがはっきり分かれる。

民泊や数室規模で、契約に縛られず小さく始めたいならBeds24。基本€15.50/月〜の従量制で、チャネル接続は€0.55/月/接続、追加ユーザー€2.00/月、SMS€0.10/通、プライベートラベルは€19.00/月。契約・最低期間・初期費用なしを掲げ、カード不要の無料トライアルもある。ユニット数と接続数で積み上がる料金体系なので、部屋が少ないうちは月額を最小限に抑えられる。

そして、フロントには手を入れず予約フォームだけを載せ替えたいならtriplaの予約エンジン(tripla Book)だ。ウィジェット/サブドメイン型で既存サイトに組み込め、会員・ロイヤルティ、多言語4言語、34通貨決済、ダイナミックパッケージを備える。既存のPMSを残したまま予約導線だけ強化できるのが、専業型の一番の利点になる。料金は問い合わせで提示される。

料金を公開している社と、していない社

社名料金直販を増やす機能の公開記載サポート
tripla(tripla Book)予約エンジン専業要問い合わせ会員・ロイヤルティ、メタサーチ連携(Google/TripAdvisor/4travel)、ベストレート自動化、34通貨決済公開記載なし
HotelsmartPMS一体要問い合わせ自社予約エンジン(セルフチェックイン〜自動精算まで同系統)、Airbnb連携24時間コールセンター
aiPassPMS一体月2.5万円〜/初期 新規5万円・移行10万円セルフチェックイン、ゲスト専用アプリ公開記載なし
Beds24PMS/CM一体€15.50/月〜(従量)公式の機能一覧で要確認公開記載なし
CloudbedsPMS一体(One以上)要見積予約エンジン・チャネルマネージャー経由に追加手数料ゼロ24/7サポート

で、結局どれか。予約エンジンだけ替えたい・既存PMSを残すならtripla。フロントから精算まで含めて入れ替えるならHotelsmart。費用を先に見たいならaiPassかBeds24。海外OTA中心で英語運用できるならCloudbeds。この振り分けで、候補は自然と1〜2社に絞れるはずだ。

料金を公開しているのはaiPass(月2.5万円〜)とBeds24(€15.50/月〜)の2社で、triplaとHotelsmartは要問い合わせ、Cloudbedsは要見積。公開料金の有無だけで優劣は決まらないが、決裁のスピードには直結する。公開料金で横並びに見たい場合は、PMS・サイトコントローラーの比較表もあわせて見ておくと、月額のレンジ感を先につかめる。

「予約エンジン経由の手数料」をどう考えるか

OTA手数料を減らす話なのに、乗り換えた先の予約エンジンでまた手数料が乗るなら意味が薄い。ここは各社で情報の出し方が違う。

この点を公式に明記しているのはCloudbedsで、予約エンジンとチャネルマネージャー経由の予約に追加手数料をかけない(zero added commission)としている。自社サイトで取った予約に対して、システム側の成果手数料が乗らないと分かっているのは、直販を増やす目的とは相性がいい。

一方で、tripla・Hotelsmart・aiPass・Beds24について、予約1件ごとの手数料の有無は公開情報からは読み取れない。だから「無い」とも「ある」とも書けない。ここは各社への見積もり時に、月額とは別に決済手数料・予約成果手数料がかかるのかを、必ず口頭で確認してほしい。Beds24については、€50未満の支払いに手数料がかかる旨は公開されているので、少額決済が多い宿は覚えておくといい。

予約エンジンを入れても、直販は自動では増えない

ここは広告運用を本業にしている編集部として、正直に書いておく。予約エンジンを載せ替えただけで自社サイトの予約が増えることは、まずない。フォームが速くなっても、そもそも自社サイトが見られていなければ埋まる箱が空のままだからだ。

増やすには「見つけてもらう導線」と「OTAより自社で取る理由」が要る。この導線づくりを機能として最も公開しているのがtriplaで、Google・TripAdvisor・4travelへのメタサーチ連携、会員・ロイヤルティ制度、ベストレート自動化を持つ。メタサーチに載れば検索結果の料金比較にあなたの宿の自社料金が並び、会員価格やベストレートは「同じ部屋なら自社が安い・得」という予約理由になる。この3つがそろって、はじめて直販が動き出す。

逆に言えば、どの予約エンジンを選んでも、集客と価格設計を別で回す前提で予算を組むこと。エンジンの月額だけを見て「これで手数料が減る」と考えると、たいてい期待は外れる。予約の入り口を一元管理する発想は予約一元管理ツールの比較でも整理しているので、チャネル全体の設計から見直すなら参考になる。

まず何をするか

候補を絞る前に、手を動かすことがひとつある。自社サイト経由の予約が、いま月に何件入っているかを数えることだ。この数字がなければ、乗り換えの効果も、かけていい費用の上限も判断できない。まずは直近数か月の自社予約件数を出す。話はそこからだ。

📋 この記事で比較したサービス(公式サイト)

「どれが自館に合うか決められない」「導入したが使いこなせていない」といった相談は編集部へ。条件を伺って、合いそうな会社の窓口までご案内します(各システムの操作・設定そのものは各社のサポートが最短です)。自社サイトからの予約を増やす・広告の出し方を見直す相談も同じ窓口で。

よくある質問

Q. うちみたいな10室の宿でも、予約エンジンを変える意味ある?

A. 意味はある。フロントごと一本化するか、フォームだけ強化するかで選べばいい。

Q. 予約エンジンを入れたら、OTAの代わりにそっちで手数料取られたりしない?

A. 明記しているのはCloudbedsだけで、予約エンジン・チャネルマネージャー経由に追加手数料をかけないと公開している。tripla・Hotelsmart・aiPass・Beds24は予約1件ごとの手数料の有無が公開情報から読み取れないので、見積のときに決済手数料や成果手数料が別途かかるか必ず口頭で確認してほしい。

Q. 料金を出してない会社って、高いから隠してるってこと?

A. そうとは言い切れない。要問い合わせ・要見積はtripla・Hotelsmart・Cloudbedsの3社で、公開しているのはaiPass(月2.5万円〜)とBeds24(€15.50/月〜)だけ。

宿DX編集部

この記事を書いた人: 宿DX編集部

宿泊施設の集客支援(広告運用)を仕事にしている30代が編集しています。宿泊施設の運営者ではありません。広告運用の実務で旅館・民泊事業者の予約導線に日常的に関わる立場から、PMS・サイトコントローラー・レベニューマネジメント・無人チェックイン等のツールを「費用感・規模別の向き不向き・運用工数」の観点で比較しています。特定ベンダーからの寄稿は受けていませんが、一部のサービスとは業務上の関係があります。

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