ホテル客室清掃の管理アプリ比較|清掃専用(HOT/TEL C)とPMS一体型(Staysee・aiPass・Hotelsmart)の分かれ目

ホテル客室清掃の管理アプリ比較|清掃専用(HOT/TEL C)とPMS一体型(Staysee・aiPass・Hotels(イメージ写真)

📝 この記事でわかること

  • 清掃専用アプリを足すべきか、PMSごと一体型に替えるべきかの分かれ目が分かる
  • HOT/TEL C・Staysee・aiPass・Hotelsmartの料金体系と課金単位の違いが分かる
  • 清掃側がチェックアウトを知る手段はPMS連携かAIカメラしかないという構造が分かる

20室でも150室でも、客室清掃の管理でつまずく場所はだいたい同じところです。誰かがフロントに戻ってくるまで、どの部屋が空いたのか清掃側には分からない。

先に結論を書きます。今のPMSを替えるつもりがないなら清掃専用アプリを足す、PMSごと入れ替えるかこれから初めて入れるなら清掃状況まで含んだ一体型にする。分かれ目はこの一点で、機能の細かい差はその後ろに来ます。

紙とトランシーバーで回している宿で、止まっている場所

起点はチェックアウトの検知です。精算が済んだ部屋の情報がフロントの手元にしか存在せず、清掃スタッフは廊下を歩きながらドアの様子や札で判断している。早発ちの部屋ほど、本来なら清掃に回せたはずの時間を捨てることになります。

次に優先順位。アーリーチェックインの客、連泊で午前中に外出した部屋、備品交換が入る部屋——順番を組み替えたい理由は毎日発生します。トランシーバーで「305を先に」と流しても、館内のどこにいるかで聞こえ方が変わる。聞き逃した一件が、夕方のチェックイン待ちに化けます。

忘れ物の連絡も構造は同じです。清掃中に見つけた物を、誰が、どこに、いつ記録したか。紙の清掃表に書いて夕方まとめて提出する運用だと、客から電話が入った時点で紙はまだ現場にある。

そして完了報告。全室の進捗を把握しているのが清掃責任者の頭の中だけ、という宿は珍しくありません。その人が休んだ日にフロントが「あと何室ですか」と聞いて回る光景、見覚えがあるはずです。

アプリに求めるものは、突き詰めると三つ

機能表を端から眺める前に、削れない条件を決めておきます。

  • 客室ステータスの共有:清掃中・清掃済・点検済が、フロントと清掃で同じ画面に出る
  • 優先順位の指示:先に入ってほしい部屋を、口頭以外の手段で渡せる
  • PMS連携:チェックアウトや在室の状況が、予約システム側から流れてくる

軽視されるのは三つ目です。前の二つだけなら、無料のチャットツールと共有スプレッドシートでも形にはなる。ただしそれは「誰かが手で入力し続ける前提」の仕組みで、入力が途切れた瞬間に紙の運用へ戻ります。

清掃専用を足すか、PMSごと入れ替えるか

清掃のために作られている HOT/TEL C

HOT/TEL Cは、スマホやタブレットから客室清掃ステータスを更新し、優先清掃客室を表示し、メモや忘れ物を登録する。PMS連携で客室ステータスを自動変更する経路と、PMSを使わずAIカメラでステータスを変更する経路の二本立てになっています。

料金は20IDまでが初期49,800円・月額5,980円、50IDまでが初期99,800円・月額13,000円、100IDまでが初期150,000円・月額22,000円(いずれも税別)。効いてくるのは、課金単位が室数ではなくIDである点です。150室あっても清掃に入る人数が20人なら最小の価格帯に収まり、逆に30室でも派遣スタッフが入れ替わる現場ならID数が費用を左右する。ただしIDがスタッフ数を指すのか端末数を指すのかは公式に明記がないため、見積りの前に必ず潰しておいてください。

複数施設の管理に対応し、清掃員派遣会社での利用も想定されています。自館の社員だけでなく、委託先のスタッフにも同じ画面を配れるということ。委託先への支払いを清掃区分ごとに計算する話は民泊のクリーニング費用を自動計算できる管理システム比較で別に整理しました。無料トライアルがあります。

客室状況がPMSの中に最初からある三社

Stayseeは月額ライト980円、スタンダード3,980円、アドバンス9,980円(税込)。室数・レストラン座席数・宴会場・会議室数による追加料金がないため、20室でも80室でも月額が動きません。初期費用は自社で設定すれば0円、設定作業員を呼ぶと22万円(税込)に交通費と宿泊費が乗る——初期費用が「自分で設定するかどうか」だけで決まる構造です。清掃状況はアプリからリアルタイムに把握できる一方、どのプランから清掃機能が使えるかは公開情報だけでは確定しません。スタンダードには1ヶ月の無料トライアルが付きます。

aiPassは月額2.5万円〜(室数とプラグインで変動)、初期費用は新規5万円・システム移行10万円。移行が新規の倍という値付けは、既存PMSからの乗り換え作業を有償で引き受ける前提を示しています。クラウドPMSにセルフチェックインとゲスト専用アプリが載り、公式が掲げる導入実績は50,000室以上(2026年6月時点)、継続率99%以上。

Hotelsmartは料金非公開で、入口は資料請求と問い合わせになります。クラウド型PMSを軸に、セルフチェックイン、自社予約エンジン、自動精算機、デジタルガイド、キャンセル料自動請求、24時間コールセンター、Airbnb連携が同じ基盤に載っている。全国4,500施設・75,000室以上という導入実績は、戸建て一棟の運用からチェーン規模まで同じ仕組みが回ってきたという意味です。公式の機能一覧には「清掃管理機能」と書かれていますが、詳細仕様は公開されていません。ここで見るべきなのは、チェックイン・精算・客室の状況が別々のシステムに散らないという構造のほうです。フロントを無人にしたまま客室ステータスを追う運用は、鍵の扱いとセットで設計することになります(ホテル向けスマートロック導入の記事)。

サービス初期費用月額課金単位PMS連携
HOT/TEL C清掃専用49,800円/99,800円/150,000円(税別)5,980円/13,000円/22,000円(税別)ID(20/50/100)PMS連携で客室ステータス自動変更(連携PMS一覧は非公開)。PMS非使用時はAIカメラ
StayseePMS一体型0円(自社設定)/設定作業員派遣は22万円+交通費・宿泊費(税込)980円/3,980円/9,980円(税込)施設(室数等による追加なし)自社PMSに内包
aiPassPMS一体型新規5万円/移行10万円2.5万円〜室数・プラグイン自社PMSに内包
HotelsmartPMS一体型要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ自社PMSに内包

で、結局どれか。今のPMSを替えないなら、HOT/TEL CがそのPMSと連携できるかを先に確認する。ここが通れば、追加の支出はID単位の月額だけで済みます。PMSごと入れ替える、あるいは初めて入れるなら清掃を含む一体型が筋で、室数が少なくランニングを抑えたいならStaysee、フロント無人化まで視野に入るならaiPass、自動精算機まで含めるならHotelsmartに問い合わせて見積りを取る。4社のうち料金を公開しているのは3社なので、Hotelsmartだけは金額を並べる前に話を聞く段取りが要ります。PMSそのものの比較は宿泊施設向けPMS・サイトコントローラー比較表に寄せました。

「無料」で探しているなら、入口は二つ

清掃管理アプリを無料で使いたい、という検索は多い。正直に書くと、宿泊施設向けの今回比べた4社に無料版はありません。現実的な入口は二つです。HOT/TEL CとStaysee(スタンダード1ヶ月)の無料トライアルで実際の館内を回してみるか、月額980円のStayseeライトから始めるか。980円という金額は、費用対効果を会議で議論するより先に試したほうが早い水準です。

無料のチャットツールで代用する道も残っています。ただし何度でも同じ話で、チェックアウトの情報は誰かが手で打ち込むしかない。

チェックアウトを清掃側が知る手段は、PMS連携かAIカメラしかない

客室のステータスは、フロントの操作か、予約システムの中でしか変わりません。清掃アプリ単体は「清掃が始まった」「終わった」を記録できても、「客が出た」を自力では知れない。だから清掃専用アプリを選ぶときの最初の質問は、機能ではなく「うちのPMSと繋がりますか」になります。

HOT/TEL Cの連携PMS一覧は公式に見当たらないため、ここは問い合わせでしか潰せません。繋がらないときの代替として用意されているのがAIカメラによるステータス変更で、連携の可否に賭けずに導入できる逃げ道になっている。一体型の3社は、そもそもこの質問が発生しない側に立っています。清掃の情報が予約と同じ器の中にあるので、連携の成否を心配する相手が消える。その代わり、PMSの乗り換えという重い判断がセットで付いてきます。

明日1日でいい。チェックアウトから清掃開始までの時間を、客室ごとに手で記録してください。

📋 この記事で比較したサービス(公式サイト)

「どれが自館に合うか決められない」「導入したが使いこなせていない」といった相談は編集部へ。条件を伺って、合いそうな会社の窓口までご案内します(各システムの操作・設定そのものは各社のサポートが最短です)。自社サイトからの予約を増やす・広告の出し方を見直す相談も同じ窓口で。

よくある質問

Q. うちは今のPMSを変えたくないんだけど、清掃アプリだけ足せますか?

A. 足せます。HOT/TEL CはPMS連携で客室ステータスを自動反映できますが、連携できるPMSの一覧は非公開なので、契約前に自館のPMS名を出して確認してください。

Q. 無料で使える清掃管理アプリってないの?

A. 今回比べた4社に無料版はありません。

Q. 10室くらいの小さい旅館でもStayseeって入れる意味あります?

A. あります。Stayseeライトは室数による追加料金がなく月980円(税込)から始められるので、20室でも80室でも月額は変わりません。ただしどのプランから清掃機能が使えるかは公開情報だけでは分かりません。

宿DX編集部

この記事を書いた人: 宿DX編集部

宿泊施設の集客支援(広告運用)を仕事にしている30代が編集しています。宿泊施設の運営者ではありません。広告運用の実務で旅館・民泊事業者の予約導線に日常的に関わる立場から、PMS・サイトコントローラー・レベニューマネジメント・無人チェックイン等のツールを「費用感・規模別の向き不向き・運用工数」の観点で比較しています。特定ベンダーからの寄稿は受けていませんが、一部のサービスとは業務上の関係があります。

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