📝 この記事でわかること
- 宿泊DXをチェックイン・予約・会計・勤怠・清掃・料金設定の6業務に割り戻し、業務ごとに「先に読む記事」と「公式サイトで最初に確認する項目」を並べた入口記事
- 公開料金がある会社(KING OF TIME、HRMOS勤怠、Staysee等)と、要問い合わせの会社(Hotelsmart、tripla、Cloudbeds、Mews、Little Hotelier等)を分け、公開されている側から先に見る進め方を提案
- PMS一体型(Hotelsmartなど)で機能をまとめて揃えるか、業務ごとに専用ツールを足すか、その分かれ目は料金非公開の機能をどこまで問い合わせで詰められるか
DXという言葉で予算の話が始まると、たいてい手が止まります。フロントの無人化なのか、予約の直販なのか、経理の締めなのか。全部が同じ棚に放り込まれているせいで、どこから触ればいいのかが見えなくなる。
この記事がやるのは、それを業務の単位に割り戻すことだけです。チェックイン、予約、会計、勤怠、清掃、料金設定の6つに分け、それぞれに「先に読む記事」と「公式サイトで最初に確認する項目」を並べました。個別の比較や試算は子記事の側に置いてあります。ここは入口の整理です。
順番の決め方は2つあります。1つは、人手が一番足りない業務から手を付ける。もう1つは、料金が公開されている道具から当たる。後者は差がはっきりしていて、KING OF TIMEは1人あたり月額300円・初期費用0円、HRMOS勤怠は登録30名以下が無料、Stayseeはライトが月額980円(税込)と、公式に数字が出ています。対してHotelsmart、tripla、Cloudbeds、Mews、Little Hotelierは料金が非公開で、要問い合わせ。公開されている側から先に見れば、問い合わせの返事を待たずに判断材料が積み上がります。
業務別の案内表(台帳の公開情報のみ)
| 業務 | 先に読む記事 | 台帳で関わるサービス(公開料金の有無) | PMSに含まれる機能か |
|---|---|---|---|
| チェックイン・無人化 | セルフチェックインの導入費用|公開料金で比べられる社と、人手が薄い宿が先に見るべき点 | Hotelsmart(要問い合わせ) aiPass(公開料金あり) ねっぱん(公開料金あり) | あり: Hotelsmart・aiPass・Staysee |
| 予約(直販・予約エンジン) | 自社予約エンジン比較|OTA手数料を減らしたい宿が、料金の出し方と手数料の考え方で選ぶ | tripla(要問い合わせ) Hotelsmart(要問い合わせ) Cloudbeds(公開料金あり) TEMAIRAZU(公開料金あり) | あり: Hotelsmart・Cloudbeds・Little Hotelier |
| 会計・経理 | 宿泊業の会計ソフト比較|freee・マネーフォワードの公開料金と、PMSと会計をつなぐ現実的な線 | freee会計(公開料金あり) マネーフォワード クラウド会計(公開料金あり) ねっぱん(公開料金あり) Hotelsmart(要問い合わせ) | 台帳のPMSに記載なし |
| 勤怠・シフト | ホテル・旅館の勤怠管理システム比較|ジョブカン・KING OF TIME・HRMOSを公開料金と現場の条件で並べる | ジョブカン勤怠管理(公開料金あり) KING OF TIME(公開料金あり) HRMOS勤怠(公開料金あり) | 台帳のPMSに記載なし |
| 客室清掃 | ホテル客室清掃の管理アプリ比較|清掃専用(HOT/TEL C)とPMS一体型(Staysee・aiPass・Hotelsmart)の分かれ目 | HOT/TEL C(公開料金あり) Staysee(公開料金あり) aiPass(公開料金あり) Hotelsmart(要問い合わせ) | あり: Hotelsmart・aiPass・Staysee |
| 料金設定(ダイナミックプライシング) | ダイナミックプライシングは宿にどう効くか|仕組みと、料金を自動で動かす道具の入り口 | ― | あり: Mews |
「公開料金あり」は各社公式ページに金額の記載がある社、「要問い合わせ」は公式に金額が無い社。表の内容は編集部が公式ページを転記したもので、最新は各社で確認を。
業務ごとに、公式で先に見る項目
チェックインと無人化
aiPassは月額2.5万円〜で、室数とプラグインで金額が変わります。初期費用は新規5万円、システム移行10万円。公式には導入50,000室以上(2026年6月時点)、継続率99%以上と記載があります。Hotelsmartはセルフチェックインに加えて自動精算機まで機能一覧に並びますが、料金は非公開で資料請求扱いです。
サイトコントローラー側から寄せる道もあります。ねっぱんはセルフチェックイン連携をオプションとして持ち、初期11,000円・月額3,300〜6,600円。本体は5室以下6,600円/6室以上10,780円(税込・初期設定料なし)という室数区分なので、まず自館がどちらに入るかを数えるところから始まります。
公式で先に見るのは「料金の単位」。室数なのか、プラグイン単位なのか、オプションの積み上げなのかで、同じ月額でも意味が変わります。セルフチェックインの導入費用を公開料金で比べた記事で、出ている数字と出ていない数字の線引きを先に確認してください。
予約と直販
triplaの予約エンジンはウィジェット型とサブドメイン型があり、会員・ロイヤルティ機能、多言語4、34通貨決済、メタサーチ連携(Google/TripAdvisor/4travel)、ダイナミックパッケージ、ベストレート自動化を備えます。料金は非公開。導入施設数も公式トップには載っていません。Cloudbedsは予約エンジンとチャネルマネージャー経由の予約に追加手数料をかけないと明記していて、プランはFlex/One/Experience/Enterpriseの4段、いずれも要見積です。
TEMAIRAZUは手間なしNEXTがブッキングエンジンにあたり、システム連携数300以上を掲げています。Hotelsmartは自社予約エンジンを持ちつつ、手間いらず・TL-リンカーン・ねっぱん!・Beds24とサイトコントローラー連携をとる構成。つまり「予約エンジンを足す」のか「PMS側の機能を使う」のかで、見る公式ページ自体が変わります。
確認すべき項目は手数料の取り方です。月額固定だけなのか、予約金額に対する従量が乗るのか。Cloudbedsのように手数料ゼロを明記する会もあれば、料金ページ自体が非公開の会もある。自社予約エンジンの比較記事で、料金の出し方の違いから押さえるのが早い。
会計と経理
freee会計はひとり法人2,980円/月(年払い時)、スターター5,480円、スタンダード8,980円、アドバンス39,780円。部門別損益はスタンダード以上で部門数は無制限です。経費精算などに限った一般従業員相当の招待は0円・上限なし。30日間無料が付きます。マネーフォワード クラウド会計はひとり法人2,480円/月(年払い、一括29,760円/年)、スモールビジネス4,480円、ビジネス6,480円で利用人数は無制限(4名以上は従量課金)、表示は税抜です。
宿の場合、会計ソフト単体より「予約と売上のデータをどこから渡すか」が詰まりどころになります。Hotelsmartは売上管理機能・自動料金科目ブレイク機能・分析レポート帳票出力を持ち、ねっぱんはPMS連携をオプション化して1WAY 初期11,000円・月額1,100〜3,300円、2WAY 初期3,300円・月額6,600円という値付け。入力元と出力先を先に決めてください。
公式で見るのは人数のカウント方法です。freeeはメンバー枠と0円招待の線引き、マネーフォワードは利用人数の上限と従量の境目。なお、宿泊業向けテンプレートの有無やPMSとの直接API連携は台帳側で未確認なので、公式の連携アプリ一覧で自分の目で確かめる必要があります。会計ソフトとPMS連携を扱った記事はその順序でまとめています。
勤怠とシフト
ジョブカン勤怠管理は出勤管理・シフト管理・休暇申請・工数管理の4プラン制で、1ユーザーあたり1プラン200円、2プラン300円、3プラン400円、4プラン500円(月額・税抜)。最低料金は2,000円/月です。KING OF TIMEは全機能込みで1人300円、初期費用0円、30日間無料体験。HRMOS勤怠は登録人数30名以下が完全無料で、31名以上は1人100円(税抜)〜という構えです。
同じ「1人いくら」でも、誰を数えるかが違います。ジョブカンは管理者が課金対象外、休職者は課金、退職処理済みは対象外。HRMOSは在籍者数ではなく登録人数が基準で、従業員31名以上でも登録が30名以下なら無料。まず公式の料金ページで課金対象者の定義を読むこと。これだけで見積もりの桁が変わります。
宿泊業で効いてくる変形労働時間制の設定可否は台帳では未確認です。ここは公式に直接聞く項目として残してあります。ホテル・旅館の勤怠/シフト管理システムの比較記事に3社の公開料金を並べました。
客室清掃
HOT/TEL Cは初期49,800円・月額5,980円(20IDまで、税別)から始まり、50IDまで初期99,800円・月額13,000円、100IDまで初期150,000円・月額22,000円。スマホやタブレットで清掃ステータスを更新し、優先清掃客室の表示、メモ・忘れ物登録、PMS連携での客室ステータス自動変更に対応します。PMSを使わずAIカメラでステータスを変える運用も用意されています。
PMS側に清掃機能が入っている選択肢もあります。aiPassは清掃スタッフがタブレットやスマホでチェックアウト・外出状況をリアルタイムに確認でき、Stayseeはアプリで清掃状況を把握する機能を持ち、月額980円/3,980円/9,980円(税込)、初期費用は自社設定なら0円。設定作業員を呼ぶ場合は22万円(税込)+交通費+宿泊費です。
公式で確かめる項目は課金単位。HOT/TEL Cの「ID」がスタッフ数なのか端末数なのかは公開情報から読み取れません。Stayseeも清掃機能がどのプランから使えるかは要確認です。清掃専用ツールとPMS一体型を並べた記事で、どちらの型が自館の人数に合うかを見てください。
料金設定
この業務だけは、台帳に公開料金を出している専用ツールがありません。MewsはRate managementをPMSと統合する形で持ち、RMS連携は40以上で接続料なし。ただしEssentials/Advanced/Enterpriseとも要見積で、日本語サイトはなし(/jaは404)。TEMAIRAZUはレベニューマネジメントを機能として挙げ、システム連携数300以上を掲げています。
だから「公開料金で絞る」という進め方が効きません。先に読むべきは仕組みのほうです。公式で見る項目としては連携先を1つ。自館が今使っているPMSやサイトコントローラーが対象に入っているか、接続に別料金がかかるか。ダイナミックプライシングが宿にどう効くかを整理した記事から入るのが順当です。
PMSで一体化するか、業務ごとに道具を足すか
一体型の輪郭が分かりやすいのがHotelsmartです。クラウド型PMSに、セルフチェックイン、自社予約エンジン、自動精算機、デジタルガイド、キャンセル料自動請求、清掃管理機能、自動部屋割り、売上管理、食事管理、法人団体管理が並び、24時間コールセンターが付きます。連携先も公開されていて、サイトコントローラーは手間いらず・TL-リンカーン・ねっぱん!・Beds24、スマートロックはRemoteLOCK・KEYVOX・EPIC・美和ロックなど、PMS側はNEHOPSとOPERA。公式には全国4,500施設・75,000室以上の導入実績と記載があります。料金は非公開、連携OTA数も公開されていません。清掃管理機能も機能一覧に名前はあるものの、詳細仕様は非公開です。
一体型は他にもあります。aiPassは月額2.5万円〜でセルフチェックイン・清掃管理・サイトコントローラー2way連携・客室自動アサインを含み、Stayseeは980円からのプランでPMSと清掃・セルフチェックインを扱う。CloudbedsとLittle HotelierはPMSにチャネルマネージャーと予約エンジンを束ねる構成、Mewsは決済一体型に料金管理を載せています。一方で、台帳のPMSの機能一覧に勤怠と会計は現れません。そこは専用ツールを足す前提になります。
選び方の分かれ目は、機能の多さではなく「名前だけ載っている機能の中身を、どこまで問い合わせで詰められるか」。一体型は料金非公開が多く、専用ツールは公開料金が多い。両者を同じ画面で見比べられるように、PMSとサイトコントローラーの比較表に料金の公開状況と連携先をまとめてあります。
最初の一手は単純です。人手が一番足りない業務を1つだけ決めて、その業務の記事を読む。道具を選ぶのはその次。
📋 この記事で比較したサービス(公式サイト)
「どれが自館に合うか決められない」「導入したが使いこなせていない」といった相談は編集部へ。条件を伺って、合いそうな会社の窓口までご案内します(各システムの操作・設定そのものは各社のサポートが最短です)。自社サイトからの予約を増やす・広告の出し方を見直す相談も同じ窓口で。
よくある質問
Q. うちみたいな人手不足の宿でも、DXってどこから手を付ければいいの?
A. 人手が一番足りない業務を1つ決めて、まずその業務の記事を読む。道具選びはその次、というのが本文の勧め方。
Q. Hotelsmartの月額、結局いくらなの?
A. 非公開。要問い合わせ。
Q. 勤怠システムって従業員31人以上だと結局有料になるんでしょ?
A. HRMOS勤怠は登録人数が基準。従業員31名以上でも、登録が30名以下なら無料のまま。
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